熟成古酒(長期熟成酒)の魅力について
古酒の魅力は何と言っても、その「味わい」「香り」「彩り」ではないかと思います。これほど感覚を刺激するお酒も珍しのでないでしょうか。
=味=
「甘味」「辛味」「酸味」「苦味」「旨味」などがバランスよく保たれています。日本酒の中で「苦味」が評価の対象になることはあまりないのですが、熟成古酒については「苦味」も評価の対象になります。
=香り=
木の実の香りや、カラメルの香り、バニラ香などまるで飲み手の食に対する経験と言葉の表現力を試すようにいろいろな香り感じることができます。
=彩り=
朝の光のような柔らかな黄金色から、質感のある深いルビー色まで変化に富んでします。
長期熟成酒の魅力
ですが、熟成古酒の魅力はこれだけではありません。
熟成古酒を魅力的にしている重要な要素は「時間」だと思います。
もちろん「熟成古酒」というくらいですから、熟成年数は大事なのです。
しかしながら、過去の時間もさることながら、
熟成古酒が魅力的なのは未来へのロマンにつながるお酒だからではないでしょうか。
以前、熟成古酒の試飲イベントでこんなことがありました。
その日はちょうど「父の日」、たまたま通りかかった親子のお父さんに
13年熟成の古酒を試飲してもらいました。
お話を聞くと息子さんは中1で13歳になったばかりとのこと。
そこで、お父さんに「熟成酒の魅力は今こうして飲むだけではなく、
息子さんのバースデーヴィンテージとしてご自宅で熟成させ、息子さんが
成人された時の一緒にお飲みになるのも楽しみの1つなんですよ。」とご説明しました。
お父さんはちょっと息子さんの顔をご覧になり、その13年古酒をご購入されました。
帰り際に二人が古酒を嬉しそうに見ていたのが印象的でした。
きっと7年後、息子さんが成人された時に一緒に飲み交わしている場面を想像されていたのではないでしょうか。
時の流れも楽しむ
新酒にはない「未来への想い」が熟成古酒にはあり、そこが熟成古酒の魅力なのだと思います。
積み重ねられた時間を味わうも良し、未来へ想いを馳せるも良し、
過去と未来をつなぐところに熟成古酒の魅力はあるのだと思います。