旨い日本酒ができるのは酵母のおかげ(1)
今まで熟成古酒にフューチャーして文章を書いてきましたが、今回は「日本酒・熟成古酒百科」らしく「日本酒」全般について書きたいと思います。
「お酒は生命(いのち)からつくられる。」
「お酒」「生命」と書くとちょっと感傷的になりすぎじゃない?と思われるかもしれませんが、「お酒は酵母によってつくられる」と考えると納得される方も多いのではないでしょうか。
近代的な化学が発達するまでは「お酒」は神様から賜りもので、特別な時にしか口にすることができない飲み物でした。
それが、19世紀以降、化学者の研究や微生物学の発達により酵母の働きと存在が解明され、今日のように近代的酒造法が確立し、お酒造りもコントロールできるようになったのです。
しかし、科学がいかに進歩しようと今も昔も「お酒が生命の働き」によってつくられていることに変わりはありません。
日本酒はお米のデンプンが酵母(正確には酵母の中の「酵素」)の働きによりブドウ糖に変わり、そのブドウ糖からアルコールが産み出されます。
しかし、アルコールはブドウ糖が0になるまで生成されるわけではありません。酵母自らが作り出したアルコールによって活動を弱められ大半は死滅してしまいます。
この後、火入れをして「酵母」は完全に処理されてしまい、完全に発酵が終了するのです。
美味しいお酒は「酵母」が身を挺して作っている、と考えると今日飲むお酒もちょっとありがたみが増しますね。生命活動に敬意を表して盃を傾けてください。
次回も酵母の働きについて書きたいと思います。(^O^)/
今日のおすすめのお酒
百楽門 純米無濾過原酒 大古酒 魚龍変化
飲む人の運気を上げる「開運酒」
琥珀色の輝きを身にまとい、上品な熟成香、まろやかな甘みと共にキリッとした酸味が後味を締めます。冷やした状態より、常温が一番オススメです。
ちなみにお酒の色や香りも「酵母の働き」が深く関係しているんです。