日本酒・熟成古酒百科

日本酒の最高傑作である熟成古酒(長期熟成酒、ヴィンテージ日本酒)を啓蒙するサイトです。ワインにもまさる日本独自の文化である熟成古酒について語りましょう。蔵元自慢の熟成古酒・地酒もご紹介します。

寝越庵(ネゴシアン)について

自分のお酒選びで、強く影響を受けたのは故 本郷信郎 先生(長期熟成酒研究会 顧問)、白木 善次社長(達磨正宗の白木恒助商店 社長)、そして吉澤 淑 先生(東京農業大学名誉教授)のお三方です。お三方から薫陶を受け今日の熟成古酒の啓蒙・販売に励んでいるのですが、寝越庵をプロデュースするきっかけを 作ってくださったのは白木社長でした。

達磨正宗の蔵をお伺いしたとき、白木社長とお話しして引き込まれたのが、ワインのネゴシアンの存在でした。
フランスのワインには「シャトー蔵出し」と「ネゴシアン物」の2種類があります。シャトーの庫出しは、出荷される直前まで、瓶詰されてシャトーに置かれていたもののことを言います。

一方のネゴシアン物とは、ネゴシアン(=フランス語で卸売業者、卸売商の意味)によってその年のワインを1か月利き酒し、選ばれたワインのことを言います。

フランスワインのネゴシアンには歴史や伝統があり、技術と卓越したセンスが求められます。ネゴシアンは自分のセンスに絶対の自信を持ってワインを販売するのですが、その分責任も大きいのです。つまり、良いワインを選べば名声を得るのですが、その逆もまた然りです。

私が熟成古酒を扱った初めの年は、大吟醸・純米大吟醸・純米酒などの低温熟成用の日本酒がほとんどでした。
当時は淡熟タイプのお酒は酒屋の店頭で入手できましたが、濃熟タイプのお酒はあまり販売されてのなかったのです。

そこで、常温熟成用の日本酒を蔵元さんに仕込んでもらうことにしました。これが寝越庵のきっかけです。

南部美人の久慈さん、安芸虎の有光酒造さんは全麹仕込み、アフスの木戸泉酒造さんは高温山廃など、いろいろな蔵元さんにさまざまな仕込みでお酒を造ってもらっています。その際、50~70%まで精米歩合によってどんな味に変化するかも試しています。

お酒に携わる者として「熟成古酒」の可能性を極め、日本のみならず世界中の人々に「日本文化=日本の熟成古酒」を知っていただきたい、その思いから寝越庵をプロデュースしました。ぜひ寝越庵をお召し上がりください。

楽自慢 寝越庵